初めてのパリ

  あれは何年だか夜のセーヌ川船上で見上げたエッフェル塔に祝新世紀の電飾が まだあったころだ とうとうここまで来た どういうわけかここまでこれたと一瞬心がセンチに夜景が涙でにじんで見えた 今回初めての欧州出張でパリまでこれたのは、県繊維協会の役員からミラノ、パリのコレクション プルミエール(世界最大の生地展)の視察団に入ってくれ 費用の半分は県もちでとのお誘いがあったから

大学卒業まじか、忙しいからすぐ帰れ 卒業式出ずに家業に 覚悟していたとおり賃加工の織物製造業 いくら頑張っても借金返済に追われる経営 どうしたら脱却できるか必死の頃から 県内で無名の賃織り機屋の頃から20数年 昔を想うといろんな記憶が込みあげてエッフェル塔が滲んでみえたのだ  ここまできた道のりに起きたことその物語は改めて記すとしてここはパリ それを書こう

生地展とファッションショーのあいまに観光、ベルサイユ宮殿を見てきた 日本語ガイド同伴が秀逸、ぜひこれをお勧めしたい ルイ14世は大フランスの総合商社の社長だ 日に3度も衣装替えして属領や外国の使者を謁見して鏡の間を見せ、シャンデリアをみせ最先端の技術を披露して自慢した 一晩で3000本のロウソクを燃やす豪華な宴会を始終開いてみせた 鏡の間の隣は博打の間だ 豪華絢爛な宴会で気分よくした客や商人から金を巻き上げる魂胆だ その隣は王の寝室その隣が妃の寝室それぞれに秘密の隠し扉がある

ガイドによれば当時妃の出産は公開出産で母子関係は多くの人に見せその保証人にしたとのこと 呆れた 現代の日本では母子関係は病院で 父子関係は婚姻関係から推認となるが 同じことか もしビデオがあれば高級市民に有料で見せたに違いない

これが彼らのメンタル これを嫌って逃げ出した連中、イギリスからも追放されてアメリカという国をこさえた ピューリタンといい 清教徒といい このプロテスタント連中はホンネと建前の使い分けがヘタで禁酒法や中絶禁止法などみずから作った法で自ら苦しんでいるそんなアメリカとフランスは全く違う 政治家は不倫や隠し子なんぞではビクともしない それで?、何か? てなかんじ 本邦の玉木代表もこれを見習ってもらいたい 不倫もいろいろあるさ 今回君のはほとんどプライベートの問題だ 反省しすぎるな

このベルサイユ宮殿には後のフランスを形作る要素がふんだんに潜んでいる いわく先端科学技術、フランス料理、パリコレ、カジノ文化、フランス文学(愛欲、SM) ストリップ、ダンス etc, etc なんでもかんでも、洗練さを極めるセンス これがフランスだ フランス文化発祥の原点がベルサイユ宮殿にあった シャンゼリゼ通りの脇にでっかいキャベツ畑が なんでこんな所とよく見たらこれが造花ならぬ造果 作り物のプラスティックのキャベツを何百と植えてある 恐るべしパリのエスプリといたく感心した次第

それが それがだ 2024年テレビで見るに セーヌ河畔に野外トイレ がズラリと、4人が向き合って用を足す小便器だ 中国のニイハオトイレが羨ましいのか アカン とうとう 花のパリは終わったね ウンこれを言いたかったのだろう